香港ポストコラム 『フランチャイズビジネス(2)』
- 2017年03月30日
- カテゴリ:コラム
フランチャイズビジネス(2)
加盟店の債務
本部の債務に比べて、加盟店の債務項目は膨大になることが多い。なぜならば、本部にとってブランドのイメージおよび商品の質を守ることが非常に重要だからである。実際には30から40くらいの項目が必要となるが、特に重要な項目のみ例としてあげれば以下の通りである。
—店舗の内装、デザイン、開店・閉店時間、衛生管理(飲食関係)
—使用する材料や仕入れ先の指定
—マニュアルに従うこと
—フランチャイズの枠以外の商品を提供することの禁止
—本部の定めた基準に従った商品の提供
—秘密厳守と不競争の約束
知的財産権
知的財産権について、加盟店はライセンスにより、使用権があるだけであり、それ以上の権利は有しない。
フランチャイズ料金の支払い
フランチャイズ料金の計算について、何を基準とするか。利益や売り上げに対して何パーセントという定め方が多い。
フランチャイズの終了・解約
加盟店が重大な違反を起こしたときには、すぐにその加盟店とのフランチャイズ契約を解約し、フランチャイズ関係を終了する権利を本部が有することは非常に重要である。フランチャイズを中止したときには、加盟店は直ちに残る債務の支払いをし、フランチャイズビジネスを終了し、本部から提供されたものをすべて本部に返却しなければならない。
香港でのフランチャイズビジネスは、フランチャイズそのものに関する法律がないため、本部と加盟店との間で紛争が生じた場合に、解決のよりどころとなるのは、「フランチャイズ契約書」にほかなりません。 そのため、フランチャイズ本部の立ち上げに際しては、弁護士から法的なアドバイスを受けた上で、きちんとしたフランチャイズ契約書を作成することがより重要となる。
(このシリーズは月1回掲載します)
筆者紹介
ANDY CHENG
弁護士 アンディチェン法律事務所代表
米系法律事務所から独立し開業。企業向けの法律相談・契約書作成を得意としている。香港大学法律学科卒業、慶應義塾大学へ留学後、在香港日本国総領事館勤務の経験もありジェトロ相談員も務めていた。日本語堪能
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タグ:franchise, franchise business, フランチャイズ, 加盟店, 契約, 知的財産, 香港