中小企業のための法務講座『香港会社法修正 重要支配者台帳の整備保管(前編)』
- 2018年03月26日
- カテゴリ:コラム
香港会社法修正
重要支配者台帳の整備保管(前編)
会社(修正)条例2018新653A条から653ZK条が導入され、2018年3月1日から施行されました。香港証券取引所に上場されている会社以外のすべての香港に設立された会社は、香港で設立された会社の最終所有者を透明化し、マネーロンダリングやテロリスト財政を締め付けることが目的です。
コンプライアンスのために以下のことが求められています。
・合理的な方法で、重要支配者(Significant Controllers)を特定する。
・会社は、重要支配者台帳(以下、SCRという)を保管する。台帳は、① 登記住所 ② 株主名簿と同一の場所 ③香港の他の場所。もし③の状況の場合、最初にSCRを整備後、15日以内に、申請書NR2でありかを通知する。
・合理的な方法で、重要支配者(Significant Controllers)を特定する。
重要支配者とは
自然人あるいは、会社法人を明らかにコントロールする法人あるいは、会社を明らかにコントロールする人がいる法人の以下の5類に該当する自然人あるいは法人のことです。
1会社の株を25%以上直接的あるいは間接的に所有する人
2会社の議決権を25%以上直接的あるいは間接的に所有する人
3会社の取締役会で大多数の議決権を持ち、任命や解任を直接間接的に権利を持つ人
4会社に明らかな影響力を持つもの
5以上の条件に当てはまる信託や法律事務所等へ重要な影響を与え、動かす権利がある人
重要支配者や会社の例
(出典:Guideline on Licensing of Trust or Company Service Providers)
指定代表者(Designated Representative)とは
法執行者が重要支配者台帳の調査に来た時に対応する。
少なくとも1名の香港に住む会社の株主、取締役、従業員あるいは、資格を所有する公認会計士、弁護士やTCSPライセンス者がなることができる。
(このシリーズは月1回掲載します)
筆者紹介
ANDY CHENG
弁護士 アンディチェン法律事務所代表
米系法律事務所から独立し開業。企業向けの法律相談・契約書作成を得意としている。香港大学法律学科卒業、慶應義塾大学へ留学後、在香港日本国総領事館勤務の経験もありジェトロ相談員も務めていた。日本語堪能
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タグ:SCR, Significant Controllers, コンプライアンス, 取締役, 重要支配者, 重要支配者台帳, 香港, 香港会社法修正